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発掘写真で訪ねる 文京区・豊島区古地図散歩 ~明治・大正・昭和の街角~

坂上 正一

発行
フォト・パブリッシング
判型
B5判・並製
ページ数
192ページ
発売日
2022年8月22日
ISBN
978-4-8021-3348-7 C0026
定価
2,640円(本体2,400円+税10%)

文京区は明治11年に成立した本郷区と小石川区が昭和22年の行政区画見直しで合併して成った。江戸時代から繁華な街であった文京区も鉄道交通の危機はあった。区内隅々に走っていた都電の廃止だ。区内を走る鉄道が丸の内線一本になってしまったのだ。しかし、昭和43年に三田線が走りだすと南北線、大江戸線と地下鉄網が充実。鉄道交通利便な区となった。
豊島区は昭和7年に北豊島郡の巣鴨町、西巣鴨町、高田町、長崎町が東京市に編入され、4町の区域をもって発足しているが、文京区が繁華を誇っていた明治期は路面電車もなく牛車に馬車や大八車が行き交う東京近郊農村であった。しかし、明治36年に池袋駅が開業するとまもなく東武東上線と西武池袋線が開業。以降、豊島区は池袋を求心地に急速に発展した。
田山花袋は大正9年発行の『東京の近郊』で「池袋の発展は非常だ。もとは畑で、何もなかったところがこういうふうに開けようとは思いもかけなかった」と驚いている。そして戦後は丸ノ内線を皮切りに地下鉄網が形成され、巨大ターミナルに発展。副都心池袋は豊島区を牽引している。
本書ではこの2区について、古地図を眺めながらの紙上散歩にご案内したい。

【目次】
1章 歴史テーマで見る文京区
01-1.~本郷区と小石川区が合併して成立~ 江戸時代からの「文の京」
01-2.~その昔は不忍池が臨めた湯島天満宮~ 湯島情景
01-3.~日本の学校教育史の要となった幕府の学問所~ 深山幽谷の地に湯島聖堂
01-4.~その昔は江戸湊が臨めて潮見坂~ 団子坂「鴎外・乱歩と菊と藪」
01-5.~将軍家ゆかりの女性が多く眠る徳川家墓域~ 家康の生母の菩提寺・傳通院
01-6.~奥女中「音羽」に与えた音羽通り~ 五代将軍綱吉母子の護国寺
01-7.~国政を動かした椿の名勝地~ 椿山荘と山縣有朋
01-8.~今は文京つつじまつりの舞台に~ 六代家宣ゆかりの根津神社

2章 古地図で見る文京区
02-1.~点在する江戸時代の遺産~ 六義園~小石川植物園
02-2.~八百屋お七、本郷に眠る~ 本郷通り周辺
02-3.~不忍通りから神田川へ~ 目白台地周辺
02-4.~大塚弾薬庫跡地は文教地区に~ 茗荷谷~飯田橋
02-5.~樋口一葉が暮らした街は今・・・~ 傳通院~後楽園
02-6.~百年前の本郷通り寸描~ 東京大学周辺
3章 歴史テーマで見る豊島区
03-1.~池袋に劇場型都市空間を建設~ 豊島区90年
03-2.~武蔵野の村からサンシャインシティの誕生まで~ 副都心池袋「百年の変貌」
03-3.~戦前は池袋と並ぶ繁華街だった~ 花街で賑わった大塚今昔
03-4.~江戸時代はタネ屋街道と呼ばれた地蔵通り~ 「菊づくりの発祥」巣鴨
03-5.~つくられた悪評「田沼政治」~ 駒込に眠る田沼意次
03-6.~無形民俗文化財「万灯錬供養」~ 雑司ヶ谷鬼子母神
03-7.~江戸から昭和までの歴史が眠る~ 雑司ヶ谷霊園と染井霊園

4章 古地図で見る豊島区
04-1.~池袋モンパルナスとトキワ荘~ 椎名町駅~東長崎駅周辺
04-2.~大根畑から副都心への歩み~ 池袋駅周辺
04-3.~超高層ビルは発展の象徴となった~ サンシャインシティ~大塚~板橋駅
04-4.~歴史的な由緒を持つ寺院が散在~ 巣鴨~駒込周辺
04-5.~大寺院「鼠山感応寺」は今や幻に~ 目白駅周辺
04-6.~鎌倉街道と交差していた目白通り~ 雑司ヶ谷~面影橋